スケルトンリフォームで耐震性を高める、というリフォームを希望している方もいるでしょう。スケルトンリフォームは費用が抑えられるというメリットもあります。木造住宅のスケルトンリフォームのメリットや、注意したい点にはどういった点があるか、確認しておきましょう。
木造住宅のスケルトンリフォームとは？
「スケルトン」は骨格や骨組みを意味します。スケルトンリフォームとは、基礎や土台、柱、梁、壁、床、筋交、のき、けた、棟木、など、家の強度を支える重要な個所だけを残し、もしくはそれに近い状態にして、行うことです。クロスやフローリングなどを撤去しても、建物の強度はキープしたまま、新しい間取りでリフォームをすることができます。
建物を新しい間取りにしたり、違った機能を取り付けたりするリノベーションは、目的や用途によっては、すべての箇所を撤去しなければならないこともありますが、スケルトンリフォームは、骨組みを残してリフォームをします。
リフォームは設備などを元に戻すだけですが、スケルトンリフォームは新しい間取りにすることができ、希望の間取りなどプランニングが自由にできるという利点があります。
木造住宅をスケルトンリフォームするメリット
スケルトンリフォームのメリットは、間取りなど自由にプランニングでき、中古でありながら新築のように自由に間取りを決めることができる点です。さらに、見えない構造部分の点検ができる点も、木造住宅のスケルトンリフォームのメリットでしょう。
住宅には木造のほか、鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りといった種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますが、木造住宅のデメリットは耐久性が低いことです。
白アリや配管、外装などは定期的なメンテナンスが必要ですし、火災にも弱いという点もデメリットです。さらに、木造住宅は、職人の技術や品質によって、性能に違いが出ることがあります。台風などの被害でダメージを受けやすいのもデメリットでしょう。
これらのデメリットを見直せるのが、スケルトンリフォームです。中でも木造住宅が大きな影響を受けるシロアリなどの害虫被害を見直すとともに、耐震性を高めて安全性能をアップさせることができるのです。
寿命が短いと言われる木造住宅をスケルトンリフォームすることで、より安全に生活をしていくことができるでしょう。
木造住宅でスケルトンリフォームをする注意点
木造住宅のスケルトンリフォームをする際に、注意したい点があります。一つは基礎の補強が必要になるケースがあることです。建物を基礎のみにしたときに、基礎の劣化が見つかることがあります。白アリ被害、湿気による腐食、基礎のゆがみなどです。このような劣化があった場合、金属や新しい建造材で基礎を補強しなければなりません。デメリットとしては、費用がかさむことでしょう。
また、構造によってリフォームの方法が異なります。
木造住宅には、軸組工法と枠組み壁工法があります。それぞれの特徴を踏まえたうえでのリフォームが必要です。特に枠組み壁工法の場合には注意が必要です。
ツーバイフォーとも呼ばれる枠組み壁工法は、壁、床、天井が大きな一枚の面となっていて、壁が建物を支えている構造です。そのため、窓などを追加すると耐久性に不安ができるなど、間仕切り壁の撤去が難しく、間取り変更が難しいのです。
リフォームの内容によって費用も異なります。基礎の状態が良好であれば、1000万円以内でリフォームをすることも可能ですが、解体費用や補強、間取りの変更など大規模な工事が必要となることが多く、2000～3000万円程度の費用がかかることもあります。
さらに、耐震性が建築基準法に適合しているかを確認し、耐震性の強化も検討することが必要です。
スケルトンリフォームをする際に用意しておくとよいもの
スケルトンリフォームをする準備として、費用の計算や仮住まいなどの用意も必要ですが、忘れてはいけないものが、図面です。プランを立てるには、専門家との相談が必要です。建築基準法などの違反をしないためにも、専門的知識を持った業者と相談をして、プランニングをしましょう。
その際に図面を用意しておくと、より具体的にプランニングができます。ただし、図面通りに建築されていないこともある、という点を認識しておきましょう。そのうえで、専門家と相談し、進めていくといいでしょう。
木造住宅には、建築費用が安い、木材によってリラックスできるなど、さまざまなメリットがありますが、害虫や湿気などに弱く安全面において不安な点があります。築年数が増えれば、耐震性も心配になるものです。スケルトンリフォームをすれば、そういった目に見えない点が明らかになり、それを含めてリフォームすることが可能です。構造上問題がなければ、自由な間取りにすることもできます。安全性能を高めた住宅で暮らすためにも、スケルトンリフォームはおすすめです。
