renovation-reform’s blog

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リフォームは図面がなくてもできるもの?

リフォームを希望する世帯の中には、古い物件なので図面がどこかに行ってしまった、手元にないというケースもあるでしょう。このような図面なしでリフォームを依頼することは可能なのでしょうか?また可能な場合、どのような点に気をつけるべきか、リフォームをする上での注意点についてご紹介します。

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本来必要な図面とは?


リフォームをする場合、図面があれば住宅の構造などの情報が書かれているため、工事もやりやすくなります。図面と一言で言いましたが、できれば複数の書類があるといいです。具体的には設計図・特記仕様書・施工図といった書類が必要です。

設計図とは住宅全体のプランがわかる書類です。物件によっては仕様図と呼ばれるものを添付している場合もあります。仕様図には住宅に備え付けられている設備に関する寸法などの情報のかかれたものです。

特記仕様書とは、住宅にある個々の設備に関する情報を文書化したものです。具体的にはメーカーや種類、品番、大きさ、重量、規格などの情報が記載されています。
施工図は設計図をより詳細に記載した書類のことです。通常リフォーム作業をする場合には、この施工図を見ながら進められるのが一般的です。寸法や質量、性能などがこの図面には書かれていますから、リフォーム工事をする際に貴重な書類になるわけです。

 

図面がなくてもリフォームはできるもの?


長く住んでいると図面がないというケースも出てきます。また中古物件を購入した際に、売主が図面を持っていなくて受け継がなかったという家庭もあるでしょう。このような図面がないような物件でもリフォームを行うことは可能です。ただし手間がかかってしまう場合がありますから、リフォームを依頼する際にはできるだけ家の中を探して、揃えられる図面はできるだけ多く準備しておくのがおすすめです。

通常リフォーム会社は依頼を受けると、現状の図面を正確に起こします。そうすることでどのようなリフォームができるのかなどを分析するからです。図面がそろっていると簡単に情報を起こせるのですが、図面がないと現地に赴きメジャーや方眼紙などを持って実測しなければなりません。そして一から現状図面を書き起こしていきます。
建物のトレースから始める必要があるため、どうしても時間がかかってしまいます。

 

図面なしでリフォームを依頼する際の注意点


例えば内装クロスの張替えや外装の塗装などの簡単なリフォームの場合、図面がなくてもリフォームすることは可能でしょう。しかし、配管変更や間取り変更リフォームのような大掛かりな工事をする場合、図面があった方がいいです。もし図面がなければどのような構造になっているのか、壁の内側の配管などがどうなっているか、正しく把握できないからです。

場合によっては、建物の構造を確認するためにいったん壁を取り外すような作業が前もって必要になる場合があるので注意が必要です。壁の取り外しをしたにも関わらず、「やっぱりそのリフォームはできません」という話になる可能性も十分考えられます。またリフォームが可能だったとしても、壁を取り外す作業が新たに加わる分、工期も長くなりますし、費用も余計にかかってしまう恐れがあります。

 

図面なしでリフォームした場合に起こるリスク


もし図面なしでリフォームをして、その後何らかの瑕疵が発見されたとします。ところがここで問題になるのが、その瑕疵の原因がどこにあって、誰がその責任を負うべきかはっきりしなくなる恐れがあります。もちろんリフォーム工事によって問題が発生した事例もあるでしょう。一方でそもそもその住宅自体に問題があった可能性も否定できません。既存の住宅に問題があれば、リフォーム会社は瑕疵責任を負う必要はないのです。

設計図や施工図、竣工図などがそろっていれば、もともとどこに問題があったのか推測できます。しかしその資料が一切なければ、この問題点を推測する手掛かりがありません。特に間取り変更などの構造部分にかかるリフォームを希望する場合、もし問題が起これば、建物の強度などに深刻な事態を引き起こす可能性もあります。ですから大掛かりなリフォームであればあるほど、図面を提出するよう求めるはずです。

図面なしでも契約可能だというリフォーム会社はありますが、リフォーム会社が新たに図面を作成するケースが多いです。この時図面作成料として、費用がかかる場合もあります。ですから、契約書でどのような費用負担となっているか内容を確認した上で契約への同意をしましょう。

大手のリフォーム会社の中には契約する際に図面が添付されていることも多いです。しかしこの図面はプランズやパース図と呼ばれるもので、イメージイラストに過ぎず、実際の施工には使えない場合があるので事前に確認しておくことが大切です。


このようにリフォーム工事をする際には、図面の提出を求められるのが一般的です。図面なしでも工事できるケースもありますが、この場合リスキーなリフォームになるかもしれません。中古住宅を購入してリフォーム工事で新築同然にするスタイルも人気ですが、この際図面を必ず提出してもらうように交渉しましょう。