renovation-reform’s blog

リノベーション・リフォームの勉強サイト。一般的な情報と共に知っていないと損をする情報もまとめています。

リフォームと建て替えの費用や工期などの違いについて

中古住宅を購入してリフォームを検討される方は少なくありません。工事をする上でも部分リフォームか全面リフォーム、建て替えといった選択肢があるでしょう。リフォームと建て替えでは費用や工期でどのような違いがあるのか、リフォームした方が良い住宅、建て替えに向いている住宅についてご説明いたします。

 

f:id:salesconsultant:20181229123356p:plain

 

リフォームと建て替えの違いは?

 

リフォームとは、部分的な修繕や改築を行うことです。外壁や屋根、水回りなど、傷みが目立つ部分や、家族の生活に合わせた設備の変更などを必要に応じて部分的に行うリフォームと、基礎や骨組みのみ残して、すべてを新しく作り変える全面リフォームがあります。部分リフォームは工期も短く、仮住まいが不要なこともありますが、全面リフォームは仮住まいが必要な場合もあります。

 

建て替えとは、現在の住宅を全て解体し、新しく基礎から建て直すことです。すべてを一から作るので、家族のニーズに合わせた間取りや設備を設けることが可能です。耐震基準も現在の基準に合ったものです。ただし、仮住まいが必要で、工期もリフォームに比べると長くなります。

 

リフォームと建て替えの自由度の違い

 

全面リフォームの場合、建て替えに近い状態まで新しくすることができますが、基礎や構造上必要な柱や梁を撤去したり、動かしたりすることはできません。そのため、間取りの変更やドアや窓の取り付けの位置に制限があります。

 

その点、建て替えであれば一から造り直すので、柱や梁の位置、間取りやドアや窓の位置も設備も自由に決めることができます。耐震性や断熱性など建物全体に関わる性能も自由に付け加えることができます。

 

リフォームと建て替えの費用相場の違い

 

リフォームの費用は、リフォームする部分によって違います。リフォーム部分が複数箇所ある場合は、部分ごとに解体費用と新たな工事費用、材料費などが必要です。今ある部分を残しながらの工事ですので、細かい作業が多くなります。内容によって異なりますが、相場は概ね約300~2000万円です。

 

建て替えの場合、まずは今ある住宅の解体作業、廃棄物の処理が必要になります。その後、新築で住宅を建てますので、約1000万~4000万円程度かかると考えられます。それ以外にも、不動産取得税、固定資産税などの各種税金が必要になり、建築費以外の費用も必要です。

 

リフォームと建て替えの工期完了までの違い

 

リフォームと建て替えでは、工期に大きな違いがあります。部分的なリフォームの標準リフォームの工期は1ヶ月程度です。標準リフォームとは、同じ場所に、あらかじめ決められた装備でのリフォームです。既存の設備の撤去、補修の後、新しい設備を取り付けます。

 

建て替えの場合は、まずは解体作業が必要になります。解体作業に1週間から10日見ておく必要があります。更地にした後に建設作業が始まります。住宅の建設に、約4〜6ヶ月かかります。工期は、住宅の構造や面積、仕様などによって違います。

 

どんな家がリフォームに向いている?

 

中古住宅の中にはリフォームに向いている住宅があります。それは1981年以降の新耐震設計基準を満たしている家で、リフォームにコストがかからない家です。また、過去のリフォームの状況も重要です。新しく補強されている、直されている部分が多い家は、次のリフォームでもそれを利用することができますので、コストを抑えられます。

 

仕事や学校など家族の都合で、仮住まいができない、仮住まい先が見つからない方もリフォームが良いでしょう。また、法律により、建て替えたくても建て替えることができない住宅や、古い建物よりも小さい家屋しか建てられない場合があります。それは再建築不可物件です。このような物件もリフォームがおすすめです。

 

再建築不可物件とは、接道義務を満たしていない土地のことです。これは、火災や地震、救急車などの緊急車両の通行のため、建築基準法で「幅が4m以上の道路に2m以上(一部地域では6m)接した土地でなければならない」と定められているためです。この法律ができる前に建てられた家屋を解体すると、更地にこの法律が適用されるため、家を建てることができなくなります。「敷地のセットバック」という方法をとれば建設は可能ですが、元の家屋よりも小さい家しか建てられません。このような土地にもリフォームの方が向いていると言えるでしょう。

 

どんな家が建て替えに向いている?

 

引っ越しまでに期間があり、現在の住まいにしばらく住める方や仮住まい先が容易に見つかり、ゆっくり滞在できるなどご家族の都合がつく場合は、建て替えも余裕を持って考えることができます。

 

1981年以前の旧耐震基準の建築で老朽化が激しい家、シロアリやカビで腐食がひどくリフォームでは対応できない、リフォームではコストがかさむ場合も建て替えの方が向いています。耐震基準、断熱基準も現在のものですから安全、安心です。

 

 

リフォームと建て替えのどちらが良いかは難しい問題です。どちらにもメリットとデメリットがあります。最近では、リノベーションと呼ばれる中古住宅や中古マンションを新しく生まれ変わらせる手法も広がっています。リフォーム技術も向上しており、古い木材や建具を残して、あえてリフォームして住むという選択肢も出てきました。家族がどのような生活をしたいかイメージしながら、リフォームか建て替えかを考えてみてはいかがでしょうか。