renovation-reform’s blog

リノベーション・リフォームの勉強サイト。一般的な情報と共に知っていないと損をする情報もまとめています。

床下断熱と基礎断熱のはどちらが良いのか?新築とリノベーションでの違いを開設

床下は地面に最も近いため、外気と湿気に常にさらさられています。このため、床下をいかにきちんと断熱するかは建物にとって重要なポイントです。床下の断熱には2種類あって、床下断熱と基礎断熱があります。両者にはどのような違いがあるのか、特徴は何かについて詳しくご紹介します。

 

f:id:salesconsultant:20181216220740p:plain

 

床下断熱と基礎断熱とは?


床下断熱とは、建物の1階床下に断熱材を全面に取り付ける手法のことです。全体的にベタに取り付けてしまうと通気性に問題が生じます。そこで床下換気口を設置することで、風通しを確保します。日本で建築されている住宅の中で、この床下断熱が一般的な方法です。

一方基礎断熱とは、基礎立ち上がりの段階で断熱材を施工する手法です。建物の外周に面したところに板上の断熱材を使う方式で、床下断熱とは違って床下換気口を設けません。床下断熱にとって代わる技術といわれていて、海外で誕生しました。日本の家屋の場合、北海道など寒冷地で使用されることが多いです。

 

 

床下断熱のメリット・デメリット

 


床下断熱は日本で広く取り入れられている断熱の方式です。メリットとデメリットについて、以下で詳しくご紹介します。

 

床下断熱のメリット


床下断熱の場合、比較的簡単に施工できるのがメリットです。納期までの期間も短く済みますし、リフォームして既存住宅に新たに取り付けることも可能です。ちなみに既存住宅に取り付ける場合、住宅に手を付ける必要はないため、住民が生活している中でも工事ができます。基礎断熱と比較するとコストが安く済むのもメリットです。

住宅の9割以上が床下断熱で施工されています。床のすぐ下に断熱材がありますので、冬場熱が逃げにくく、床が冷たくなりにくい特徴があります。

 

床下断熱のデメリット


床下断熱のデメリットは気密性の確保の難しさです。特にユニットバス周りや床下を貫通する配管などの機密処理は困難を伴います。そのため、丁寧に施工する必要が出てきます。また使い続けると断熱材が侍従で下がることがあります。すると床材と断熱材の間に隙間が生じます。ここに冬場など冷気が侵入すると特に寒冷地では、結露やカビが発生しやすくなります。

 

基礎断熱のメリット・デメリット


床下断熱と比較すると新しい工法の基礎断熱にもメリット・デメリットがあります。

 

基礎断熱のメリット


基礎断熱のメリットとして大きいのは、気密性を確保しやすい点が挙げられます。基礎の外周だけの気密化を図ればいいわけで、場合によっては床下断熱よりも手っ取り早いこともあります。床下は室内とほぼ同じ環境になりますので、寒冷地の冬場、床下にある水道管の凍結リスクも少なくなります。

基礎断熱であれば、床下が地熱の影響を受けやすいです。年間通じて地中の温度が一定で冬は暖かく・夏は涼しくでき、冷暖房を使う頻度も少なくなり、省エネや電気代の節約効果が見込めます。

 

基礎断熱のデメリット


湿気の発生するリスクが伴います。コンクリートの床下の場合、建築してから2年くらいで湿気が出やすくなります。すると床下で結露・カビの発生する恐れが考えられます。この場合、24時間換気の経路の確保など湿気対策もしっかり行う必要があります。

また防蟻対策が難しいというデメリットも考えられます。すると断熱材の内部に白アリの侵入する恐れもありますので、何かしらの対策を講じる必要があります。中には室内と床下の空気が循環することもあります。すると冷暖房をかけても、快適な温度になかなかならないこともあり、逆に電気代がかさんでしまう恐れもありますから注意が必要です。

 

家に合っているのはどっち?


床下断熱と基礎断熱のどちらがいいかですが、これはケースバイケースです。住宅の構造も関係するでしょうし、立地条件なども影響を受けます。しかし基本は床下断熱になるでしょう。日本の住宅のうち9割以上が床下断熱です。2000年以前であれば、ほぼ10割床下断熱です。依頼する建築会社も見つかりやすいでしょう。

しかし寒冷地の場合、床下断熱では結露やカビが発生しやすくなります。基礎断熱であれば、そのようなリスクを低減できます。床下断熱の場合、床下換気口を取り付ける必要があります。床下換気口があるため、外部環境に影響を受けやすいです。しかし基礎断熱の場合、床下換気口はありません。言い換えると密閉する形になりますので、外気の影響が受けにくいです。

ただしこれは一般的な話であり、住宅の周辺環境、床下の状態などは個々のケースで変わってきます。ですから建築会社など専門家にも住宅を見てもらって、どのような手法で断熱をすべきか、十分に話し合って決めるのがいいでしょう。


夏場は酷暑になり最高気温が40度前後になれば、冬になると最低気温が0度以下になる地域も少なくありません。このように日本では両極化が進んでいます。その中で室内を一定の温度に保つことが大事で、そのための設備が断熱です。断熱をどのようにするか、建築メーカーなどの専門家と相談して決めましょう。