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住宅ローンを親子ペアローンで組むメリット・デメリット

二世帯住宅で親と同居している場合、その住宅をリフォームする際には、二世帯分のお金がどうしても掛かってしまいます。この場合、1000万円前後が相場といわれていますからローンを組まないといけないケースもあるでしょう。その場合親子ペアローンを組むのも1つの方法です。ここでは親子ペアローンのメリット・デメリットについてご紹介します。

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親子ペアローンとは?


親子ペアローンとは親子が同居している場合に契約を交わせるローンのことです。「ペアローン」といわれると、セットの契約のようなイメージを持つかもしれません。しかし親子ペアローンでは、親と子がそれぞれに契約をするスタイルをとっています。ですから契約条件などについても、親子別々に審査が行われる方式になります。そしてそれぞれの住宅ローンに対して、もう一方が連帯保証人となります。つまり子供が自分のローンの返済ができなくなった場合、親は自分の分も含め子供のローンの弁済義務が発生してしまいます。

 

リフォームをする際に親子ペアローンを活用するメリット


親子ペアローンを組む場合のメリットですが、以下のような点があげられるでしょう。

 

審査に通りやすくなる


親子ペアローンのメリットの中でも最も大きなものです。住宅ローンの審査の場合、勤務先の会社規模や勤続年数、年齢、支払い履歴などいろいろな基準に基づき融資の可否を判断します。その中でも年収と借入額の関係は重視されます。親子ペアローンの場合、借入額はそれぞれ半分ずつになります。借入額が少なくなるわけで、それだけ審査に受かりやすくなります。

また住宅ローンの審査では年齢条件も重視されます。高齢者の場合、審査の厳しくなることも多いです。しかし親子ペアローンであれば、親が高齢であっても審査の通過する可能性が高いです。

 

借入金額が多くなる


通常は借入申込者の収入をベースにして、借り入れ可能な金額を審査の中で決めていきます。しかし親子ペアローンは親子でそれぞれローンを組む形になります。ですから親と子の収入を合算したものが借入限度額を決めるにあたっての基準となるわけです。収入が合算になって増えれば、借入限度額も大きくできます。例えば大掛かりなリフォームを希望する際やワングレード導入する設備を高くしたいときなどに親子ペアローンを利用すれば、思い通りの作業をお願いできます。

 

団体信用生命保険の保障がかかる


住宅ローンの大半で融資を受けるにあたって団体信用生命保険をつけます。親子ペアローンの場合も同様で、しかも親と子がそれぞれ2つの契約を交わします。となるとそれぞれが団体信用生命保険に加入する形を取ります。例えば返済途中で親が亡くなってしまった場合、親の残債分は保険金で全額返済する形になります。ですから子供が親の残債を背負うようなリスクがないです。

 

住宅ローン控除が受けられる


住宅ローンを組むと住宅ローン控除が適用されます。簡単に言うとローンの残債の1%分が所得税・住民税から還付される制度です。住宅ローン控除は住宅ローンを組んでいる人を対象に適用されます。親子ペアローンの場合、親子それぞれがローンを組む形になりますのでそれぞれで住宅ローン控除を受けられる可能性があります。そうなればその分大きく還付金を受け取ることができ、大きな節税効果が期待できるわけです。

 

親子ペアローンのデメリット


親子ペアローンはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもありますので注意しましょう。

 

審査に親も子も通る必要がある


親子ペアローンは親子別々のローンを組む形になります。ですから親子それぞれに審査を受ける必要があります。もしどちらかが何らかの問題で審査落ちした場合、当初見込んでいた金額を借り入れできない恐れがあります。

 

どちらかの収入が減るリスクがある


ペアローンを組んでいる間ずっと同じような収入が続けばいいです。しかしもし一方の収入がダウンした、特に親がリタイアして年金暮らしになった場合、ローンの返済負担が大きくなります。場合によっては返済できなくなり、もう一方が連帯保証人として返済義務を背負うこともあり得ます。

 

手数料が倍かかってしまう


親子ペアローンの場合、親子で別々にローンを組みます。住宅ローンを組むにあたって、事務手数料などのコストがかかります。それぞれにローンを組めばコストもそれぞれにかかり、費用が倍かかってしまいます。

 

借り換えが難しい場合がある


親子ペアローンの場合、親子共有名義になります。もし借り換えを行ったときに名義変更を行うと片方から贈与を受けたと解釈されます。その結果、贈与税の発生する可能性があります。またローンを一本化した場合、本人の返済能力を超えかねないのでいろいろとネックになるポイントが出てきます。

 

リフォームをする際の親子ペアローンの活用


二世帯住宅に改築したい、老朽化による大規模なリフォームが必要になった場合、2人で融資を受ける親子ペアローンであれば、大きな額の借り入れも可能です。もし費用が多くかかり自分一人でローンを背負うのは難しければ、親子ペアローンを活用するといいでしょう。

 

間違えがちな親子リレーローンとペアローンの違い


親子ペアローンとリレーローンを混同している人がいますが、仕組み的に両者は異なります。親子リレーローンは文字通り、まずは親が返済し、高齢になって返済が難しくなったら子が引き継ぐ方式です。つまり親子リレーローンは1つのローンを親子がリレー方式で返済する形です。1本のローンですから、団体信用保険に加入できるのも1人だけです。また収入を合算できませんので、親子ペアローンほどの融資が受けられない可能性があります。


二世帯住宅を作る、リフォームをする際にはお金の問題はどうしても付きまといます。もし自分たちだけで費用を捻出できないようであれば、親子ペアローンのような金融機関からの融資を受けることも検討しましょう。その際、ファイナンシャルプランナーや会計士などの専門家に相談してベストの資金計画のアドバイスを受けるのもおすすめです。