中古住宅は、見た目が非常にキレイに見えても実際は劣化していることもあります。購入後にそれが発覚しても費用をかけて直さなければなりません。そうならないためには、住宅診断（ホームインスペクション）が必要です。メリットや調査について把握しておくといいでしょう。
中古住宅購入前に住宅診断（ホームインスペクション）をしておく必要性
住宅診断（ホームインスペクション）とは、住宅診断士が、第三者的な立場にたって、住宅の劣化状態や欠陥、メンテナンスの必要性、時期、費用などを見極めてアドバイスをすることです。住宅の欠陥や劣化などは、専門家のようにチェックすることができません。住宅診断士のような専門家から見てもらうことで、劣化や欠陥を見つけることができます。
中古住宅を購入する際には、さまざまな不安があるものです。建築物はどれくらい傷んでいるのか、地震があった場合大丈夫なのか、住み始めてからさまざまなメンテナンスが必要なのではないか、設備や性能はきちんとしているのか、住む前の改修はどれくらい必要なのか、またそれは適当な価格なのか、など、数えあげればきりがありません。
しかし、専門的知識がなければ、気づかない点も多く、チェックするポイントも分からないものです。きちんと専門的視点からチェックをしてもらうことで、不安が解消されます。日本では認知度は低い住宅診断（ホームインスペクション）ですが、アメリカでは一般的に利用されています。
また、住宅診断は家を売る際にも利用できます。家を買う際も、売る際も、売買後の建物に関するトラブルを避けるためにも、住宅診断は必要と考えられます。
住宅診断（ホームインスペクション）をするメリット
大きなメリットは、不安を解消できることでしょう。「もしかしたら欠陥箇所はあるのでは？」など、不安を抱え、住宅のことを何も知らないまま住み続けるのは、ストレスにもつながります。住宅の欠陥や状態を知ることで、安心してその物件を購入できる、または、あきらめる、といった判断をすることができます。
購入後に欠陥住宅と判明しても、後悔しか残りませんので安心して住宅を購入するためにも住宅診断は欠かせないものなのです。
さらに、住宅診断をしてもらうことで、今後のメンテナンスの時期や箇所、費用などが分かるので、資金を含めたメンテナンスの計画を立てることができるのもメリットです。
住宅のことについては、少しでも知識があった方が安全に、安心して生活することができるでしょう。住宅診断士と一緒に家のことを知ることで、住宅の構造や設備など本質的な知識を身につけることもできます。アドバイスももらえるので、より安心です。住宅の状態や劣化などについて、根拠を持って売主にも対応できるので、トラブルを回避することもできます。
また、建物の状態を事前に知ることで、「この部分もリフォームしてみたい」「性能をアップさせよう」など、リフォーム計画に反映されることができるのもメリットでしょう。
住宅診断（ホームインスペクション）はどんな調査をする？
住宅診断は次のような点を調査します。
屋外
外壁のひび割れ、劣化、仕上げの浮き、軒裏の劣化、漏水、屋根の仕上げなどの劣化など（外構も確認するケースもあります）
室内
床や壁の傾き、ひび割れ、仕上げの劣化、建具の動作状態、傾き、水周り設備の動作状況、排水音の異常や漏水など
床下
基礎の内側のひび割れや劣化、土台や大引きの劣化、ひび割れ、金物の固定、配管の漏水、勾配、金物の固定、断熱材の状態など
屋根裏
柱や梁などの劣化、ひび割れ、金物の固定、雨漏りの痕、断熱材の状態など
一般的には目視できる範囲が対象です。特に床下や屋根裏などは確認しにくい部分なので、ぜひチェックしてもらうことをおすすめします。
住宅診断をした後、注意したい点があります。住宅診断を住宅に対して、リフォーム業者が工事を提案するケースがあります。その際、悪質な業者だと不要なリフォームを提案することもあるのです。その際には、住宅診断士に相談してみるといいでしょう。
その際にも注意したいのが、住宅診断士の選び方です。リフォーム業者と提携している住宅診断士や、もしくは不動産会社と提携している住宅診断士だと、信頼できないこともあります。住宅診断士はリフォーム会社や不動産会社と関係のない、第三者を選ぶことをおすすめします。
中古住宅の購入は大きな買い物です。さらに中古物件となると、あとどれくらい安全に住めるのか、欠陥住宅ではないのか、リフォームしなければならない箇所はあるのか、あるとすればどのくらいの範囲か、設備面は状態がいいか、などさまざまな不安や疑問があります。安心して購入でき、なおかつその後のメンテナンス内容やタイミングなどを把握できる住宅診断はメリットが多いです。安全に生活ができ、後悔しない買い物をするためにも、信頼できる住宅診断士を選び、住宅診断をすることを検討してみてはいかがでしょうか？
