建築確認という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。一般的には新築のときに行われるものと思われている節がありますが、実はリフォーム工事でも建築確認が必要なことはあります。ここでは、どのような時に建築確認が必要になるのか、どのようにして建築確認をすればいいのかといった基礎知識をご紹介します。
建築確認とは？
建築物を建てるときには法律を遵守しなくてはなりません。好き放題建築できるようではその建物を使用する人はもちろん、その周辺で生活を送る方にもさまざまなリスクが発生する恐れがあります。そのため、建築物の建築や増築などの工事に関しては法令で定められた基準に適合しているかを事前に確認しなくてはなりません。
敷地や構造、設備などが基準に適合しているかを確認し、それに合格しないと建築工事を始めることはできません。要するにこれが建築確認と呼ばれるものです。建築工事をするにあたって法律違反や危険がないかを事前に確認する行為のことを指し、建築確認を受けた場合は確認済証の交付も受けなくてはなりません。
どのような場合に必要になる？
リフォーム工事においてどのような場合に建築確認が必要になるのか気になる方は多いでしょう。リフォーム工事において建築確認が必要になるケースはいろいろと挙げることができますが、一つには建物の面積が変わるときに確認が必要となります。また、階段や床などの建物面積の増減が10㎡ある場合などが一つの基準となります。
<h2>建築確認はどのようにする？</h2>
建築確認をどのようにやればいいのかということですが、基本的には工事を依頼するリフォーム会社や設計事務所がやってくれることがほとんどです。素人ではなかなか難しいですし、リフォーム会社や設計事務所などの専門家でないと建築確認は難しいでしょう。ただ、リフォーム会社や設計事務所によっては、建築確認はお客様側でお願いしますというケースもあると言います。そのため、事前に業者側で対応してくれるかどうかをしっかりと確認しておく必要があります。
建築確認申請をしないとどうなってしまう？
建築確認をせずに工事をしてしまうとどうなってしまうのか、というのも気になるところでしょう。建築確認を行わずにリフォーム工事をした場合、建築指導課から指導が入ることがあります。その結果、工事を途中で中止するよう求められることもありますから注意が必要です。
実際には建築確認を行わずいわゆる「抜け」で工事を進めるようなリフォーム会社もちらほらと存在しますが、仮に指導が入ったときには工事が続けられなくなることも考えられます。最終的にリスクを背負って損をしてしまうことになってしまうので、建築確認が必要な場合には必ずするようにしましょう。
<h2>建築確認申請をしても増築ができない建物もある？</h2>
建築確認申請を行っていても今の建物の状態から増築ができないというケースも実際あります。さまざまなケースが考えられますが、ここでは代表的な例をご紹介しましょう。
建ぺい率が限度オーバーになってしまう建物
建ぺい率がすでにいっぱいというケースだと、増築することで建築基準法違反になってしまうため増築工事の確認がとれないことがほとんどです。
異なる工法での増築
増築工事を行うときの工法が異なる場合だと増築できないことがあります。もともと在来軸組み工法で建てられた建物をツーバイフォー工法でリフォームするとなるとさまざまな部分で違いが生じてしまいますし、特に接続部分などに負担がかかることもあります。
異なる工法で増築するとなると地震が起きたときなどに揺れの違いが起きることもありますし、新しく造る部分を異なる工法で造るのは難しいのです。
既存不適合建築物
読んで字のごとくですが、増築の対象となる既存の建物が不適合な建物という場合には増築をすることができません。既存の建物に増築工事を行うことで建物の強度を損ねてしまう、法律に引っかかってしまうといったケースだと既存不適合となりますし、増築工事を始めることはできません。
3階建てへの増築
現状が2階建ての住宅で、3階部分を増築したいという場合には建築確認が必要となりますし構造計算書なども提出しなくてはなりません。ただ、さまざまな理由で建築確認を申請しても許可が下りないということはよくあります。もともと2階建てだった建物の場合だと基礎が3階建てに対応していないことが多いですし、そのために確認を受けることができないということが多いです。
建築確認は専門家でないと分からない部分が多いですから、最初にリフォーム会社や設計事務所に相談することをおすすめします。素晴らしいリフォームのプランを立てたものの建築確認が受けられずに断念せざるを得なくなった、というのもよく聞く話です。そうしたことも踏まえたうえで業者と相談しつつリフォームのプランを練っていきましょう。
